あいつ等×バカ
先生が教室に入り、慌ててその後に続く。
一気にクラス中の視線を集めた。
「えーっと…お前らも知ってるやろけど、転校生を紹介する。ほいっ、名前」
いきなり話をふられて、びっくりして声を出したため…
「ヒッ…柊谷美羽ですっ!!よっ…よろしく!」
…バリバリ裏返ってしもた。
頭を下げたまま、顔が真っ赤になるのを感じてた。
…第一印象最悪やんっ!!
…そう思ってると、クラス中から笑い声が聞こえた。
あたしがバッと顔を上げると、知らない人達の温かい笑顔があった。
「美羽ちゃん、顔真っ赤〜(笑)」
「可愛い〜♪」
「大丈夫け〜?」
「マージおもろっ(笑)」
…皆の言葉や笑顔にバカにしたような影はなく、あたしはホッとした。
…2人を除いて。
「くっくっくっ(笑)」
後ろの席で、机に顔を伏せて肩を揺らして笑っている男と、横を向いて腕で口を隠して笑っている男。
…なんでいんのよ。
「んじゃー柊谷、おまえの席は…あの野球部2人の間な!」
「…どの野球部っ?」
「あれ。」
「嫌です」
先生が指さす方を見たあたしの反応にまたクラス中が笑った。