庶民から武士へ
目が覚めると何もない部屋に寝かされていた。
痛っ、背中痛っ。…アレ?
俺は口に手を当てた…つもりだった。
そこには俺の手なんてない。いや、手以外にも俺の体や顔は何処にもなかった。
俺は訳が分からず混乱してしまい叫ぶ。
だが、その叫びも声にはならなかった。
なんでだ、と叫んだ(つもり)。
すると何処からともなく髪がぼさぼさで如何にも今起きましたって顔の少女が現れた。
「も〜うるさいなぁ〜」
ぼさりん少女は俺に気づくと消えて戻ってきた。…髪バッチリ。メイクバッチリ。服バッチリで。
あまりの速さに俺は呆然とするしかなかった。が、少女の言葉に俺はますます驚く。
「百四十五年振りの亡者だ〜!!」
百四十五年振りって… こいつ、ここで何してたんだ?
「何って、亡者の審判だけど?」
っなんで俺の思ってることを!?
「神ですから」後ろに星がつきそうな感じで言う自称神。
「自称神ってやめてよっ!イタイ人みたいじゃんっ」
あーはいはい。それでそのカミサマが俺に何のようですかー。
「くっ…。馬鹿にしおってからに。」
カミサマは咳払いを一つすると腰に手を当てて言う。
「いいか、よく聞けよ。お主は選ばれたのじゃ、」
パスします。
「え、ちょっと待ってあ〜!」
俺背を向けた(つもり)。
「お願いだから話だけでも聞いてお願い!」
カミサマが腕を掴んでくる。今にも泣きそうだ。
俺は息をつくとカミサマに向き直った。
「ふ〜っ…。いいか、お主にはこれから幕末に言ってもらう。」
え、幕末?やだよ。嫌な予感しかしない。
「幕末で色々と学んでくるが良い!!それまで転生はさせぬからなっ!」
なんだよそれ!?自己中かっB型かっ!独裁者め!
「なぬをっ!?!?妾は自己中や独裁者などではないわ!それにB型でもない!B型に謝れ!ええーいもう良いわ、さっさと行くがよいっっ」
カミサマがビシッと俺を指さすと、俺の足元(?)に空洞ができる。
え、嘘。やばいって落ちるって!カミサマたすけぁぁああああああああああああ………

「ふんっ、手助けなどしてやるものか」
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