庶民から武士へ
さあ大変
「いだっ、あ。声出た」
カミサマに落とされた俺は尻をさすりながら歩いていた。
「にしてカミサマ。落とすんならもっと人のいる所に落としとくれよ。」
周りを見渡してみても人っ子一人いない田んぼ道。
生前大都会東京に住んでいた俺としては少し心細い。
「おぉーい、だれかいませんかぁー」
カァーと烏が一鳴き。
泣きたい。
こういう時現代がどれだけ良い時代だったかが分かる。スマホほしい。
俺はあるはずのないスマホを見立てて空を掴む。
はぁ…
ため息をついたその時、目の前に灯りが見えた。
俺は助かった。人がいたという安心のもと気を許していた。

「─危ないっ!」

頭上で空を割く音がしたかと思うと、誰かに体を抱かれた。
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