星々が織り成す世界の光
近くで布団から出ていくような音がしてリヒトは目が覚めた


あれからこの家で布団を引き、みんなで仲良くねていたのだ


音のするほうを見るとそこには一人たっていた


ちょうどユウとスグルの真ん中の布団が空いていたし、人の影も小さい


(あれは…ミル?)


リヒトはミルに気づかれないようについて行った


外に出れば、やはりお菓子の匂いがした


だが、人気はなかった


やがて民家を通り過ぎ、お菓子の木や草をかき分けたところでミルは止まった


狭い空間に1つミルの前には墓があった
ミルはそこで手を合わせると急に振り返って


「いるんでしょ?」


とリヒトが隠れている方を向いた
いつからバレていたのだろうか
リヒトは木の影から顔を出す


ミルはいつ着替えたのか、服は寝巻きではなかった


「これはね、お兄ちゃんのお墓なの」


ミルはお墓を寂しそうな目で見つめる
お兄ちゃんがリヒトではなく、ミルのお兄ちゃんを指していることはわかっていた



「お兄ちゃんはね。何でもできて、みんなの人気者でね」


ミルは嬉しそうな顔をしていた
きっとお兄ちゃんが大好きだったのだろう


「でもお兄ちゃんのお墓は人目のつかない所に建てられ誰も訪れないだよ」


ミルはお墓をさわり、悲しそうな顔をした


「なんでだと思う?」


突然そう聞いてきたものだからリヒトは慌てて


「えーっと…なんで?」


とぎこちなく言うと


「長くなるから答えは内緒ね」


といたずらっぽく笑った
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