星々が織り成す世界の光
「それより君たちのそのカッコ変アルヨ」



すっかり溶け込んだアリサであるが、チャイナ服も十分個性的だと思うのだが…


ただこの街だと浮いてるのかも知れないとリヒトは服をみた



「ここアリサの知り合いの家アル!せっかくだから貸してやるアル!」



「これは…変な家だな」



アリサが示した家を見れば他の家とは違うただならぬ雰囲気に包まれていた


「まあ勝手はいいアルヨ」



妙に甲高い音のドアに震えながらも中に入っていった



「お邪魔します」


リヒトを先頭に入っていくも、人気がない


「誰もいないんだけど?」



「今家主はいないアルヨ」


マクリが首を傾げるとアリサがそう答えた



「そこら辺座っててアル!」


自分の家のように物色するアリサを横目で見ながらリヒト達は椅子に座った


「あったこれアルヨ!」



アリサが色とりどりで大きさの違うチャイナ服を取り出す



「チビはこの1番小さいやつでーうざい男はこれアル」



「チビじゃないもん!」



「俺はスグルって名前があんだよ」



アリサが面白がっている気がするがめんどくさいのでリヒトはそのままなにも言わなかった


「緑のヤツはこれでーガリ勉はこれでリヒトはこれアル」


「緑のヤツって私!?」


「俺そこまでガリ勉じゃないんだけど…」



アリサが変な風に呼んでも怒らないこの2人大人だなぁとしみじみ感じながらリヒトはみた


「じゃ着替えるか」



ミルがそういうと胸のリボンをほどきワイシャツのボタンを外していく


男3人一斉にそっぽを向き、マクリが


「ミルちゃんこっちで着替えるわよ」


「アハハハッ本当に変なことばっかりするアルー」


とマクリが猛ダッシュでミルを連れていき、アリサがその後を面白そうに追いかける



沈黙が訪れ、辺りが落ち着いた時、リヒトは思い出してしまった


ミルの胸に白羊宮のマークがあるのを見ていたことを



それを忘れようとしていると、ワイシャツを脱いだスグルの胸にも獅子宮のマークがあるのを見つけてしまった勢いで


「スグルとミルって同じような場所にマークがあるんだね」


と言ってしまい、スグルにとてつもなく睨まれる羽目になった

「お前見たのか?」



「リヒトそれは聞き捨てならないな」



スグルに睨みつけたのとは違う怖さが、ユウの笑顔にあった



「偶然だから…ね?」



ハハハっと乾いた笑いをすれば辺りが思い沈黙に包まれた



気まずい空気の中で着替え終わると女子も別の部屋からでてきた



マクリもミルも上でお団子にしていた


「マクリに結んで貰ったの!」



ミルは嬉しそうにこっちにやって来た



ユウとスグルのさっきの威圧感はミルが来たと同時、穏やかなものになっていた


マクリは顔を真っ赤にして端っこに座っていた


「マクリもこっちに来ればいいのに」


「嫌よ」


手を伸ばすリヒトの手を払いさらにうずくまる


「せっかく似合ってるのにもったいないよ?」


本心から、とても似合っているとリヒトは思った



「そう。そんなこと聞いてないけど」


マクリもこちらに向かってきた



「俺達は今氷の国に行く途中だったんだ」



ユウがアリサにそう説明した


「出来ればすぐにでも行こうと思ってるんだけど…」


「アリサには…まだ」


アリサが目を伏せながら何かをいおうとした時、突然外から人々の声が聞こえた


「まさか…また来たアルか?」



そういってアリサが外に飛び出してしまった
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