ビッチちゃんの日常

慧side

「ふぁああ〜。ねーむい」

今何時だろ?

AM8:30

あ、学校遅刻じゃん。

まあいっか、今日も休もーっと

プルプル…プルプル…

電話?

「もしもーし。」

「あ、慧?今日暇でしょ?人足りてないの!モデル多いからメイクよろしく!」

「ねぇ、僕学生だよ?学校なのー。」

「あんたどーせサボってんでしょ?噂はよく耳にするんだから。バレバレよ!」

「あー、明(あきら)でしょ?ほんとあいつ姉ちゃん好きだなー」

「そんなことはどうでもいいから!昼前には来てよね!あんたの腕だけは信用してんだから!」

「え?腕だけ?さりげ傷ついたんだけどー。」

「あ、あとモデルに連絡聞かれても教えちゃダメだからね?分かってる?」

「はいはーい。じゃーね」

「ちょ!ちゃんときなさ…」

プープー、プー。

切れちゃった。まぁ切ったんだけど。

ま、用意しますか。

なんでこんなにメイク上手くなっちゃったんだろ。

お父さんが女装しててメイクを教えてもらってたなんて、彼女に絶対言えないや。

でも、人を変えるのはほんとに楽しい

女の子を可愛くすることが楽しくて仕方ない

きもいとか思われてもいーの!

女の子どんどん寄ってきてくれるけど、目的が違うんだよね(笑)

女の子を変えるのは好きだけど

女の子には興味ないの。

意味わかんないって?

僕にしかわかんないんだもん。

この前、モデルの真田 花奈 さなだ かな ちゃんのメイクした時に

「私、慧くんのことすきになっちゃった。」

って言われたけど、顔だけで決めるんだ

怖いね女の子って

会って数時間で好きになっちゃうの?

僕にはその好きになるってのがわかんない

「そろそろ時間かな。」

スタジオへ向かっていた

ちょっと、遅刻かなー?

小走りになる。

「赤になっちゃった」

信号まちしてると

隣の女子高生の話が聞こえてきた。

「何あの子、超ブスなんだけど」

「ほんとだ(笑)きもいね」

女の子って怖いなー

可愛い顔してそんな事言うんだ。

三つ編みにメガネ、スカートはロングで

漫画に出てきそうな地味子だった。

「あれ?制服…同じじゃん」

あんな子いたっけ?

でも、僕のチェンジモードがうずうずする。

あの子可愛くさせたいな!

明なら知ってるかな?聞いてみよ。

そんなことを考えてるうちに

スタジオへ到着


「よ!姉ちゃん!遅れてごめんね!」

「遅いわ!はやく準備してね!」

「はいはーい」

メイク室へと入る。

すると、げ。

「いるじゃん」

「わー!慧くんお久しぶり!」

「お久しぶり、花奈ちゃん」

苦手な子の担当になっちゃったか…

「久々慧くんにメイクしてもらえるなんて、花奈嬉しすぎる!」

「あはは、嬉しいな!」

「慧くん電話もメールも出てくれないんだもん花奈寂しいよ」

「ごめんごめん、忙しくてさ。」

「一言くらいくれたっていいのにー」

「また連絡するよ」

「ほんとに?絶対ね?」

「はいはーい。できたよ!花奈ちゃん今日も可愛いね!」

営業スマイルをすると顔がピンクになっていた

ちょっと面白い(笑)

着々と仕事を終わらし、やっと帰れる!

「お疲れ様!慧!今日は奢るよ!」

「いいよ、姉ちゃん飲んだらめんどくさいの。」

「今日は我慢するって!さ、行こ!」

「仕方ないなー。」

今日はいっぱい食べてやる。

姉ちゃんのおごりだし(笑)

「なに食べる?」

「焼肉でしょ!」

「言うと思った。予約してるから」

さすが姉ちゃん!分かってる!

「さすが姉ちゃん」

「まあね、ここよ」

思ったより近かった焼肉屋へと入った。


「慧もそろそろ彼女とかほしんじゃないの?」

「いらないよ。興味ないもん」

「勿体ないなー。イケメンなのに」

「姉ちゃんからそんな事言われるなんて今日なんかあったの?」

「うふふ。ばれた?実はね、彼氏できた♡」

「だと思ったよ。姉ちゃんから彼女とか言うてくるの自分に出来た時だもんね」

「絶対今回は続く!絶対!」

「とかゆってまた別れるじゃん。」

「続く続く!結婚式来てよね!」

「気が早すぎでしょ(笑)」

姉ちゃんはほんと、彼氏ができたら絶対僕に報告してくるの

しかも続かないし(笑)

そんな傷ついた姉ちゃん見るのもう嫌だよ。

「今度会うから、紹介するよ!」

「はいはい。楽しみにしてる」

「慧と同じ歳の妹いるらしいし、仲良くできるんじゃない?」

「そうなんだ。仲良くできたらいいね」

「はーおなかいっぱい!」

「ごちそうさま。姉ちゃん」

そして一日が終わった。






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