大きな小野君。【完結】
「……どうしてですか」
「……あっちは高田さんの事、大事になんか想ってないよ」
「何でそんな事、酷い…」
美月は中学からの友達で、親友だ。
私は凄く大事に想ってるし、美月だって。
高校に入ってクラスは変わってしまったけど、それでもずっと友達だって想ってた。
「俺は!」
ぐいっと私の腕を引っ張ると、小野君は真剣な顔で私を見た。
「……俺は」
「なんですか」
「……っ」
私はその腕を振りほどくと、踵を返し走った。
そのまま、美月のいる教室に戻る。
小野君の声は無視して。
「っ、はあっ、」
階段を一気に駆けあがった所為で、呼吸が乱れている。
肩で息をしながら私は美月がいる教室へと向かった。