大きな小野君。【完結】
……小野君、どうしてあんな事言ったんだろう。
あんな事言う様な人だったなんて。
私の友達の事、悪く言うなんて。
大事な美月を悪く言われるのは辛い。
だけど、それ以上に小野君のいいイメージが全て崩れ去ってしまったのが辛い。
涙が溢れそうになるのをこらえながら、私はとぼとぼと廊下を歩く。
段々と近付く教室。
すると、話し声が聞こえてきて咄嗟に私は隠れた。
「でっしょ?あーまじでうっざ」
これは、美月の声?
美月の声しか聞こえないから、誰かと電話しているようだった。
「ほんっと。ちょっとさ、頑張れば?とか言ったら調子乗っちゃってさ。
そうそう、小野に話しかけてたんだよ?信じられる?」
え。
これは本当に美月が喋ってるの?
これって、もしかして。
……私の事?
どくんどくんと鼓動が速まっていく。
背中を嫌な汗が流れた。