大きな小野君。【完結】
「ねえ、紀花ちゃんは大の事好き?」
「えっ」
私が、小野君を……好き?
「もしも、紀花ちゃんが大の事を好きなら嬉しい」
「……好き、とか、わからないです」
「誰かを好きになった事ない?」
「ないです」
「そっかあ。じゃあ、大と話してどうだった?」
小野君と話して?
彼は怖そうなのに、凄く優しくて。
「小野君と話してると、とにかくドキドキして緊張しっぱなしで…」
「ふんふん。それで、俺とはどう?」
「えっ」
歩君と?目をぱちくりとさせながら、歩君の顔を見る。
歩君は優しく微笑むと、口を開く。
「俺にドキドキしてる?」
「あ。えっと、緊張はしてるけど、ドキドキは」
「なら、もう答え出てるじゃん。
紀花ちゃんが大を好きだからドキドキするんだよ」
そう言って、歩君はニカっと笑った。