大きな小野君。【完結】
告白。
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翌日。
私は朝早く登校すると、一番に美月を探した。
教室にはまだいなくて、昇降口に向かう。
ぱらぱらと生徒が登校してくる。その中に美月の姿を探した。
だけど、先に見つけたのは小野君だった。
その姿を見つけた瞬間、私の体が固まる。
動けずにいると小野君が私に気付いて、目を見開いた。
「……あ、の」
「おはよう」
どうしよう、どう言おう。そう思ってたのに、小野君は少しだけ目を細めるとそれだけ言ったんだ。
「あ、おはよう」
「どうしたの?」
「えっと、」
小野君が私が昨日直したブレザーを着ていて、ボタンもちゃんと閉めていた。
それを見ただけで心が温かくなる。
昨日はごめんね。そう言おうと口を開きかけた時だ。
その後ろから美月が現れて、私はハッと口を噤む。
「美月!」
私はすぐに美月の元へ駆け寄る。
だけど、美月は冷たい瞳で私を見つめた。
「何」
こんな声、今まで聞いたことない。