大きな小野君。【完結】
「あ、えっと、昨日、ごめん」
「ふーん。小野とうまくいったわけ?よかったね」
素っ気ない態度に、涙がじわりと滲む。
「何も、ないよ。美月、怒ってる?」
「別に。でも、もう話しかけないで」
「っ、どうして?友達でしょ?」
「は?友達なんて私は思ってない!」
「っ!!」
グサリとその言葉は私の心に突き刺さる。
何か言いたいのに、声は思うように出てくれない。
身体が小刻みに震えて、指先が段々と冷えてくるのを感じた。
美月の顔を直視する事が出来ず、俯かせるしか出来ない。
「おどおどしちゃって、何それ」
ぎゅっと目を閉じる。
美月が馬鹿にしたように笑ったのが聞こえた。
涙はじわりじわりと溢れて、頬を伝いそうになった時。
ぐっと何かが私の目を覆った。