大きな小野君。【完結】
「ありがとう」
「……もう平気?」
それに私はコクリと頷く。
すると、小野君はホッとしたのか笑みを零す。
「よかった」
「……昨日、ごめんなさい。教えてくれようとしてたのに」
「あ、うん。ちょっとあっち行って話せる?」
「うん」
私と小野君は校舎裏に回ると、座る。
小野君は前を向いたまま、口を開いた。
「歩と仲良しだろ?あいつ」
「うん」
「よく話しかけられてたんだけど、悪口しか言わなくて好きになれなかったんだよね」
「……そうだったんだ」
「その言われてる相手が、高田さんでさ。
だけど、それを知らずに笑顔であいつに話しかけてるのを見て……、気になってた」
「えっ」
驚いて小野君を見る。
少しだけ恥ずかしそうに頬を染めた彼は続けた。
「最初は同情とか、そんなんだったかもしれないけど。
綺麗な黒髪だなとか、笑うと可愛いなとか、思ったら好きになってた」
「……」
嘘でしょ?小野君が、私を好き?
信じられない想いで彼を見つめる。