大きな小野君。【完結】
「……」
「……」
歩君がいなくなった私達に沈黙が訪れる。
それを先に破ったのは小野君だった。
「……そういう、事だから」
「うん」
「教室、行こうか」
微笑む小野君。それに私は頷く。
きゅっと繋がれた手が離れる事はない。
美月の事で、きっとこれからも悲しく思うだろうな。
もしも、また美月と話せるなら笑いあいたい。
やっぱり私は美月を嫌いになんかなれないから。
「……今日、どっか行こうか」
「うん!」
照れ臭そうに尋ねてくる小野君。
それに、私は笑顔で返事をした。