大きな小野君。【完結】
「うん、大丈夫。ボタン取ってくれたお陰で髪の毛ほどけたし」
「それにしても、カッコいいね。すぐにボタン取っちゃうなんてさ」
「え?カッコいい?」
「だって、そうじゃない。美月の髪の毛綺麗だしさ、絡まって切れたりするよりボタン取った方がいいし」
「……」
驚きが先で、そこにまで頭が回らなかった。
確かにそうだ。
嫌がりもせず、すぐに彼はボタンを取ってくれた。
入学式翌日から、小野君は髪の毛を金髪にしていて、先生に注意されていた。
その様子は見てたから覚えてる。
凄い。金髪だ。って思ってた。
だけど、小野君を学校で見かける事はあまりない。
クラスが違うってのもあるし、教室が私と彼のクラスじゃ離れてるってこともある。
今日、小野君のクラスの隣に用事があったんだ。
美月がそれ。
美月と、小野君はクラスが隣同士。
私には何の接点もない。