大きな小野君。【完結】
「小野って私も話した事ないな~」
「そうなの?」
学校帰り。
駅前のアイスクリーム屋に入った私と美月。
バニラアイスをスプーンで掬い頬張ると、美月が首を捻った。
「うん。あ、小野自体はよく見るんだよ?
私がよく話すヤツと一緒にいるから後ろにいたりしてね」
「そうなの?」
「うん。だけど、小野ってあんま喋らないからさ。女の子と話してるとこなんて見た事ないや」
「えっ」
小野君が?
身長高いし、金髪で目立つ彼は私にはとてもカッコよく映っていたのに。
「小野って見た目が怖そうじゃん?だから、話しにくいんじゃない?」
「ああ、そっかあ」
確かに、小野君って目つき悪くていつも睨んでるというか、眉間に皺寄せてるかも。
見るとそうだから、いつも怒ってるのかなあとか思ってた。
それじゃ話しかけにくいか。
てか、絶対私は話しかけられない。