青春ストーリー
亜弥さんは涙ぐんだ顔で、ずっと下を向いていた。拳を握りしめ、唇を噛み締めながら。
悔しくてなにも言えないのか。それとも友達ができないことを、他人のせいにしていたことに罪悪感を感じているのか。はたまた自分の醜い感情に失望しているのか。
何を思っているのか分からなかったが、少なくとも、とてつもない悲しみと、後悔が有ることは、伝わってきた。
こらえきれず、溢れてきてしまった涙を手の甲でぬぐいながら、亜弥さんは私に聞く。

「でも、私にはそれ以外の理由が見つけられない。だから、どうにも…」

泣きながら言う亜弥さんの声は、とてもか細くて、最後の方はもう言葉にならず、また口をつぐんでしまった。
きっと亜弥さんは、「自分は何が原因なのか分からないから、どうすれば良いのかも分からない。」と言いたかったのだと思う。私はその問いに答えた。

「たぶん、友達が上手く作れないのは、普通に人見知りなだけだと思う。今宮君達の前では、強がったり意地はったりして、初対面の人とも話せるんだと思うけど、一人になると、人見知りになっちゃうんだと思うよ。」
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