青春ストーリー
「遥稀君が一位って、意外だったな。どうしてここの高校に来たの?」

下駄箱の靴を取りながら、後ろにいる遥稀君に聞く。遥稀は同じように靴を取りながら言った。

「志望校は普通に落ちたんだよ。内申書が悪くて。」
「どんだけ生活態度悪かったのさ…。」

内申点で落ちるなんて、よっぽどのことがない限りあり得ないと思う。しかもテストで良い点をとっておきながら内申点が低いということは、並々ならぬほど授業態度が悪かったか、何かしら問題を起こしたということになるのだが。

「別にトラブル起こしたとかじゃないさ…一年生の頃に全く勉強しなかっただけで。テストは一位だったけど。」
「勉強しないで一位とか、自慢にならないと思うんだけど。」

なぜか自慢げに話してくる遥稀君に、冷たい声と冷たい視線を送る。
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