青春ストーリー
遥稀君の隣に座ったのは、大人しそうな、眼鏡をかけた高梨 空君。私の隣に座ったのは、少し背が低くて、さらさらとしたストレートな髪を耳より下の位置で二つに結んでいる会川 葵さんだった。この二人が座り、班が決まったとき、私と遥稀君は顔を見合わせた。気づいてしまったのだ、とても重大なことに。
(やばい、やばいぞ…。)
みんなが班ごとに話し合いを始め、騒がしくなってきたなか、誰一人、物音すらたてないこの静かな空間のなかで、私は思った。
(この班、ムードメーカーが一人もいない!)
必ず盛り上げてくれる、明るく元気でバカみたいな人、ムードメーカー。奴がいないと、盛り上がるものも盛り上がらない。
「取り敢えず、役割決める?何かやりたい係言ってってー。」
口火を切った遥稀君は、私達に発言を促す。
「私はとくにないかな。」
先に発言した葵さんに次いで、空君も「余ったもので良い」と言い、ロッカーに本を取りに行ってしまった。
(やばい、やばいぞ…。)
みんなが班ごとに話し合いを始め、騒がしくなってきたなか、誰一人、物音すらたてないこの静かな空間のなかで、私は思った。
(この班、ムードメーカーが一人もいない!)
必ず盛り上げてくれる、明るく元気でバカみたいな人、ムードメーカー。奴がいないと、盛り上がるものも盛り上がらない。
「取り敢えず、役割決める?何かやりたい係言ってってー。」
口火を切った遥稀君は、私達に発言を促す。
「私はとくにないかな。」
先に発言した葵さんに次いで、空君も「余ったもので良い」と言い、ロッカーに本を取りに行ってしまった。