青春ストーリー
「三人は同中なの?」
「うん。クラスはバラバラだけどね。」

ジュースを渡した私は、歩きながら今宮君と会話を交わす。

「へー、意外。ちなみにみんな何組?」
「えっと、亜弥がA組で、遥稀がC組で、僕がB組。」
「あれ、C組の人いたんだ?同じ組だって気付かなかったな。」
「出席番号遠いから、席も遠いんだと思うよ。遥稀は名字早坂だから結構遅い方だし、琥珀ちゃんは小野寺だから早い方でしょ?」

意外と弾む会話に、私は笑顔で楽しんだ。

「あ、そろそろ混んでくるかも。さっさとパン買わなきゃ。」
「そっか。引き留めてごめんね。じゃあね。」

バイバイと手を振り、教室に帰ろうとして、ふと思いだし、振り返った。

「また本借りに来てね。だいたい図書当番私だから。」

少し離れたところにいる今宮君に向かって大きめの声で言った。今宮君はニコッと笑って手を振ってくれた。

私はやっと教室に戻ろうと踵を返すと、たくさんいる人の群れから、少し外れたところに朝に会った女の子、亜弥さんがいた。
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