青春ストーリー
人の群れから離れている亜弥さんは、見つけやすく、少し浮いている感じがした。朝会ったときとは違い、オドオドしていて、自信が無さそうな、そんな感じがする。

(あ、目が合った。)

取り敢えず軽く会釈をするが、亜弥さんはパッと目を逸らし、無視されてしまった。

(…なんか感じ悪いな。朝と全然違うじゃん。)

私は自動販売機の方に戻り、今度はアップルジュースを買った。そして亜弥さんのところまで行って、アップルジュースを差し出し、そして言った。

「亜弥さん、ジュース飲みませんか?」

亜弥さんは驚き、焦りながら小声で言った。

「ちょっとこっち来て!」

そう言って私の腕をつかみ、屋上につながる階段まで連れていかれた。
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