お隣さんlover
「うらら、うららは俺のこと嫌いなのか?」
遥かに言われたことがある。
『優人くんは子供だけど、あんたなんかに必死に初恋してるんだから誠意を持って対応しなきゃだめよ。』
遥は凄いなぁ。
「私ね、優人くんのこと好きだよ。でもね、優人くんよりもっともっと大好きな人がいるの。だから結婚はできないかなぁ。」
患者さん相手に、しかもまだまだ子供だっていうのに、こんな真面目に返事をするのはおかしいかもしれない。けどこれが私の誠意だ。
「あら、いいこと聞いちゃった。そんなに好きな人がいるんだー?うらら先生?」
「遥!何でそこにいるのよ!」
「そりゃあ、優人くんに呼ばれからには決まってるでしょ。うららが時間になってもこないからって。ねー?優人くん。」
「遥先生〜、俺、うららに振られたのか?なんだよ、それ。せっかく強くなったのに。注射、頑張ってるのに。」
「ばっかねぇ。あんた今何歳なのよ。これからたくさん経験つんでそれでもまだこんな奴がいいんだったらまたプロポーズでもなんでもしたらいいでしょ。」
「こんなやつって何よ。親友に向かって!」
「うららは後で事情聴取よ。『好きな人』の話聞かせてもらうわよ。」