お隣さんlover
次の日の空港で、俺は彼女に話しかけた。
たぶん、向こうは俺のこと知らないだろうから、「暇だから話しませんか」ってな体で。
最初、彼女は警戒していたのだろうか、だいぶよそよそしい様子だったが、ここは営業職の腕の見せ所だ。彼女のふところに入り込み、緊張をほぐしていく。
元々、彼女を狙っていたことだけはバレないように。
話が盛り上がりそうこうしているうちに、搭乗時間近づいてきた。
もっと彼女と話していたい。医者なだけあって知識は豊富だし、元嫁と違ってしっかり自立もしている。
欲が出てしまい、彼女の意見もあまり聞かず、近くにいるCAに彼女の座席の変更を頼んだ。
すると近づいてきたのは、航空会社の男性職員だった。無理なナンパでもしていると思われたのだろうか。
彼女の方を伺うと、目を白黒させたり少し不機嫌そうな様子を覗かせたり、かと思えば赤くなったりどうも落ち着かない。