お隣さんlover
お酒のせい

お酒のせい




あまりに、突然の出来事に私達は、フリーズする。


「え、もしかして、うらら.....?」

「新くん、だよね?」


彼も私と意図しての訪問ではなかったらしい。


「あ、えっと、俺、今日は引っ越しの挨拶に。」

「え、このマンションなの?」


「.....。隣の部屋。二週間くらい前に入居して他の部屋の人たちにはもう挨拶済ませたんだけど、ここの部屋の人だけ捕まらないなーって思ってたら、帰ってきたっぽい物音がしたから、来てみた。」


「そっか。.....お隣さんってこと、だよね。」

「うん。そうだね。.....てか、お前酒臭い
。どんだけ飲んできたの?」


「とりあえず、ビール×2、ワイン、焼酎、日本酒、焼酎、焼酎、焼酎、みたいな?」


「可愛げのねぇ飲み方。ザルかよ。」

「ザルっすね。」

「まだいける?」

「余裕っすね。」

「じゃあ酒持ってくるから飲もう。」




そうして、今、初カレであり元カレである新が、昨日までその存在すら思い出の中だけにしかいなかった新が、

私の部屋で、堂々とテレビを見ながらビールを飲んでいる。





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