空に話し掛けて
Prologue
荷物も持たずに、家に駆け上がった。
そこには、先に来ていた兄の姿。兄は私の腕を掴み、「気をしっかり持てよ」と言葉を掛けてくれた。
ドクン!
恐る恐る居間に足を踏み入れた。
その瞬間、寝ているような顔をした母が見えた。
思わず「お母さん!帰ってきたよ?」
返事が帰ってこなかった。

私は母の前に座り、「お母さん!ごめんなさい…」と心の底からの謝罪をした。
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