空に話し掛けて
私の戦い〜病気の発覚〜
休みを頂いた翌日。
私はいつものように、念入りにメイクをして仕事に向かった。

あの日から、同じ事が起きなくなっていた。
しかし、あの時の不安や恐怖はどこか残っていた。
バスで通勤していた私はいつもと違う行動をとっていた。

音楽を聴きながらバスに乗っていたのはいつもの事だった。唯一、違っていたのは音量だった。
明らかに音漏れしているであろう音量で聴いていたのだった。
普通ならば、耳が痛いと感じる音量だったと思う。だけど、今はそれが落ち着いていた。

数日過ぎたある日、バスに乗り込んだ時の事。その日はイヤホンが入っていなかった。
カバンを変えていたからだった。
「でも、バスに乗っちゃったし…」心の中で呟いた。
正直、不安になっていた。
それと同時に、少し息苦しく思えた。通勤時間30分。
お店に着いて、着替えてのんびりと過ごしていた。
まさか、この後の事態など想定していなかった。

20時にお店が開店した。
その日は週末の金曜日だった。
勿論、金曜日はとても賑わう。
しかし、開店と同時に入ってくるお客様は殆どが同伴の方ばかり。
笑顔で接客をして、女の子が支度を終わるまでお客様とお話。
女の子が来たら、入れ替わり、再び違うお客様の席。その繰り返しだった。
日付の変わる頃、お酒の入ったお客様はとても上機嫌。そこで再びシャンパンコールが始まった。
突然の大音量のコール。
その瞬間。
私は全身が震え始めた。
たった2~3分のコール。けれど、とても長く感じた。
隣に座っていた女の子が私の異変に気付き、主任を呼んでくれた。

「萌衣さん、どうしたの?病院行ってみない?」
その言葉で、病院を受診してみる事にした。

問診をしてもらい、薬を出してもらった。私は医師に何かの病気なのかと聞いてみる事にした。
すると、思いがけない言葉が出てきた。

「パニック障害ですね」
淡々と説明をする医師。
自分がパニック障害?
理解が出来なかった。
普段は全くなんともないのに。

その日から、薬を飲むようになった。
でも、症状は良くなるどころか、悪化してる様にも感じた。
そこで、次の診察で医師に再び相談した。
すると、薬を変えることになった。
改善が見られず、再び変更。
それが数ヶ月続いた時に、ふと、モルモットの様に思えた。

母に相談した結果、病院を変えると言う結論に達した。

その時には私自身おかしかったと思う。
生きているのかさえ分からない状態だったのだ。
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