溺愛伯爵さまが離してくれません!

部屋を出ると、同じ侍女であるクレアさんに出会いました。

「あら、どうしたの?浮かない顔をして」

クレアさんはこの屋敷の侍女を纏めるリーダー的存在の方。
ここでの仕事は、全てクレアさんに教えて頂きました。

時に厳しく、時に優しく。
クレアさんのお陰で、今の私があるのです。
私にとってとても支えになっている方の一人です。

「クレアさん・・・、いえ、あの」

「・・・またカイル様は羽目を外して帰ってきたのね?」

この屋敷の中で、伯爵さまを名前で呼ぶのはクレアさんだけ。
伯爵さまの乳母をしてきただけあり、クレアさんは伯爵さまを息子のように思っているのでした。

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