溺愛伯爵さまが離してくれません!
凄い人・・・。
どうして、分かってしまうんでしょう。

好きだった、という言葉に、胸が張り裂けそうなくらい苦しくなってしまいました。
涙が込み上げ、思わず俯いてしまいます。

「ありがとう、リーナ。もういいわよ。これ以上今は聞かない。もう少し経って話せるようになったら聞かせて?・・・辛いのよね?」

「・・・っ」

「思う存分泣いて、その苦しい思いを涙にして流せばいいわ。その後、きっとあなたには素晴らしい未来が待っているから」

エレンさんは私の傍へ来ると、優しく抱きしめてくれました。
母に抱かれているような、そんな安心感から思わず腕を背に回して顔を胸に埋めると、声を上げて泣いてしまいます。



そして、その日から。
私はエレンさんの侍女として、新たな道を歩む事になったのでした。
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