溺愛伯爵さまが離してくれません！

奥様の過去

「おはようございます、奥様。朝食出来ておりますよ」

――朝。
エレンさんもとい奥様の部屋へ行くと、奥様は既に起き着替えを終わらせて、椅子でくつろいでおります。

「おはよう、リーナ。今日もいい天気ねぇ、今日は少し散歩でもしましょうか」

「いいですね。お昼、サンドウィッチにして外で食べましょう。用意しますね」

「あら、嬉しいわ、お願いしてもいい？」

どこかの誰かとはえらい違い。
お陰さまで穏やかな毎日を過ごしております。

奥様のお屋敷で働くようになってから、早くも２週間が経ちました。
お仕事の内容は、前とあまり変わりません。
以前と違うのは、食事の準備が増えたぐらいという所でしょうか。
それでも、奥様は一緒に手伝ってくれますし、大変だと思う事はありませんでした。