溺愛伯爵さまが離してくれません!
はっきりとそうです、とも言えず笑ってごまかすしかありませんでした。
どうしてこんなにも簡単に分かられてしまうのでしょう。
私、そんなに分かりやすい行動をしているのでしょうか。

「想う時間が長いほど、忘れるのも時間がかかるものよ。今は自分の感情に素直になる事。辛いのも、忘れるための一歩だから、ね?」

「ありがとう、ございます」

「何が?」

「奥様は、とても優しくて・・・。凄く助けられているんです。そうやって言葉を掛けてくださることも、とても励みになるんです。今私がひとりでいたならどうなっていたことか・・・」

「困っている時は助け合うものよ。気にしないの」

「はい・・・」


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