溺愛伯爵さまが離してくれません!
「リーナ、こんな雨だけど、私、買い物出掛けてくるわ」

「奥様、今日は私が」

「いいわよ、気にしないで」

いつもは気を使ってくれているのか、買い物へは奥様が行かれておりました。
でも今日はこんなに酷い雨。
このお屋敷の主が、風邪でも引かれてしまっては大変です。

「いえ、今日は私が行きます。奥様は休んでいて下さい」

「・・・いいの?大丈夫?」

申し訳なさそうな表情を浮かべる奥様でしたが、本来ならば私がやらなければいけない仕事。
こんな時くらいはゆっくりと休んで貰わないと。
申し訳なさそうにする奥様を尻目に、買い物へ行く準備を始めました。

雨に濡れないよう大きめのストールを頭から羽織り、ブーツに履き替えます。
外へ出ると大粒の雨が、地面を打ち付けるように激しく降っていました。
カゴを抱えるように持ち、傘を差して街へと出向きます。

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