溺愛伯爵さまが離してくれません!
「只今帰りました」

「お帰り、リーナ。お疲れさま」

屋敷へ帰ると、奥様はちょうどエントランスから二階へ上がろうとしている所でした。
階段の途中からそう声を掛けてくれます。
奥様の優しい笑みに、心なしかホッとします。

「雨、凄かったでしょう、濡れてない?今温かい飲み物を用意するわね」

「そうですね、でも大丈夫です。・・・気を使っていただいて、申し訳ありません」

そう言って奥様は二階へ行くのを止めて、食堂へと歩いていきます。
私も買ってきた食材を厨房へ置きに、共に食堂へと向かいました。



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