溺愛伯爵さまが離してくれません!
その名を聞いてはいけない、とそう思いました。

でも、聞かざる負えなかった。
自然と口から出てしまったのです。

それは自分の理性ではどうする事も出来ない本能。
全身が心臓になったかのように、どくどくと激しく脈打っていました。

それを聞いてしまった時、私はどうなってしまうんだろう。

・・・わからない。
わからない、でも。

―――聞きたい。

名前を、聞きたい。




「アルフォンソ伯爵様、と言ったかしら。・・・・あなたのご主人様ね?」
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