溺愛伯爵さまが離してくれません!
疲れているはずなのに、どうしても眠れない。
たまに眠れたと思ったら、いつも見る夢は一緒だ。

僕の前から笑っていなくなるリーナ。
それを追い掛ける僕。
走っても走っても追いつくことが出来ない。

そして起きればいつも顔は涙で濡れている。

どれだけ弱くなったんだろう。
泣くような人間じゃなかったはずなのに。

・・・いや、もとから僕はこんなに弱い人間だった。
リーナがいたから気が付かなかっただけ。

リーナがいてくれたから、強くいられたのかもしれない。
彼女がいなければ、僕は何も出来ない弱虫なだけの男だ。

いなくなってから、どれだけリーナが僕にとって心の支えであったのか、嫌になるくらい思い知らされた。

心細くて、悲しくて、息が止まりそうなくらい、苦しくて。
お願いだ、お願いだよリーナ。
早く僕の前に姿を見せて・・・。


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