溺愛伯爵さまが離してくれません！
それから３日後、珍しく外はからっと晴れてくれました。
久し振りに見る雲一つない青空。
思わず窓を開け、外の空気を大きく吸い込みました。

みずみずしい草木の香りが身体中を駆け巡って、生き返るよう。
それでも、心の中はまだ少し靄がかかっているような、スッキリとしない状態でした。

手紙を書くと言ったものの、ペンを持つ手が全く進まずに紙は真っ白なまま。
あっという間に時間は過ぎて行ってしまいました。

「おはよう、リーナ。今日は久し振りにいいお天気だから、また例の丘に行きましょうか。いい気分転換になるでしょう？」

「おはようございます、奥様。そうですね、行きましょう」

いつものように朝食を食べ、サンドウィッチを用意するとふたり、丘へと出掛けました。

途中、奥様は忘れ物をした、と私を先に行かせ屋敷へと戻ります。
なんの疑いもなく私は奥様をその場で見送り、丘の上まで辿り着くと、奥様を待ちながらそこから見える風景をぼおっと眺めていました。

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