溺愛伯爵さまが離してくれません!
気持ちいい風。
心地よい鳥の鳴き声。
澄んだ空気。

こんなのどかな場所で、伯爵さまとふたり一緒にいる事が出来たのなら・・・。

叶う事のない、夢。
早く忘れなければいけないのに、ひとりになるといつも考えてしまう。

「ダメだなぁ・・・私」

こうやって思い出すのも、手紙を書けないのも、まだ迷っているから。
あの時、もう会わないと決めたはずなのに。
どうしても一歩を踏み出す勇気が出ないのです。

これを書いてしまったら、全てが終わってしまう。
それがとても怖くて。
その恐怖は日を追う事に大きくなって、ますます手紙を書く事をためらっていたのでした。



そんな事を考えていると、後ろからがさがさと草をかき分ける音が聞こえました。
奥様が来られたのだと思い、後ろを振り向くとそこには・・・・。



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