溺愛伯爵さまが離してくれません!
「リーナ、きっとコーレル夫人は、君を心配して助けてくれたのかもしれないよ。ひとり、孤独でいたリーナに救いの手を差し伸べてくれた神様だったのかもしれないね」

伯爵さまは優しく私を引き寄せ、そう話します。


・・・ああ、そうか。
・・・そうなのかもしれない。

奥様は私を今まで守ってくれて、そして間違った方向へ行かないように、助けてくれてたんだわ。

奥様は私に諦めないように、少しの勇気を持てるように、教えてくれた。
奥様のお陰で私は今、こうやって伯爵さまに気持ちを伝える事が出来た。

きっと奥様は私の神様。
こうやって私達を引き寄せてくれた、神様なのだ。


「ありがとう・・・ございます。奥様・・・」

誰もいないお屋敷の中で、そう呟きました。
ぽたりぽたりと涙は頬を伝って、足元へ落ちていきます。



―――幸せになってね リーナ――――



涙で歪んだ先で、ぼんやりと奥様が見えました。
奥様は私達を見つめて微笑み、そう語りかけてくれたのでした。





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