溺愛伯爵さまが離してくれません!
それから、私がお暇を頂くまでの一週間。
伯爵さまは、夜会にも行かず早く帰宅されておりました。

かと言って真面目に改心した訳ではなく。
部屋に閉じこもっては、お酒を飲んで潰れる毎日。

それはそれで心配でした。
毎朝、唸り声を上げては苦しそうに起き、そして辛そうな、苦しそうなそんな表情を浮かべているのです。

「一体、どうしちゃったんでしょうね、カイル様は。早く帰ってくるのはいいことですけど、潰れるまでお酒を飲んで」

クレアさんは頬に手を当て、心配そうにそう呟きました。
それに対して何も答える事が出来ない私です。

聞いても、その理由を答えない伯爵さま。
でも、何かを思い詰めたように、お酒に頼って苦しんでいる。


私ではどうする事も出来ないもどかしさを抱えたままで。
ついに、その日はやって来たのでした。
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