溺愛伯爵さまが離してくれません!
私の名は、リーナ・サイダル。
アルフォンソ伯爵さまに仕える侍女でございます。
元々私の家は花屋を営む、ただの庶民でございました。
アルフォンソ家は大事なお得意様のひとつで、定期的に屋敷の花を届けておりました。
アルフォンソ家があったからこそ、私達家族は生きながらえていた、と言っても過言ではありません。
そう、私が15の時です。
前のアルフォンソ伯爵様であるギルバート様が、私を息子のカイル様の侍女に、とのお話しを頂きまして。
次期当主付きの侍女になれるなんて早々ない事でしたから、家族は大喜び。
あまり乗り気ではない私をよそに、勝手に話を進めてしまったのです。
で、今に至る、と。
私が来たばかりの時は、カイル様は11歳。
その時はとても純粋で素直な、可愛らしい少年でした。
ところが、年を重ねるごとに培っていく美貌と女たらし。
今では「夜会の魔術師」なんて不名誉なあだ名まで付けられて・・・。
由緒正しき、このアルフォンソ家をこの方で落としてはならない、と頑張る毎日なのですが・・・。
「上手く行かないわね・・・本当に・・・」
廊下で大きくため息を付くと、そう呟いてしまいました。
アルフォンソ伯爵さまに仕える侍女でございます。
元々私の家は花屋を営む、ただの庶民でございました。
アルフォンソ家は大事なお得意様のひとつで、定期的に屋敷の花を届けておりました。
アルフォンソ家があったからこそ、私達家族は生きながらえていた、と言っても過言ではありません。
そう、私が15の時です。
前のアルフォンソ伯爵様であるギルバート様が、私を息子のカイル様の侍女に、とのお話しを頂きまして。
次期当主付きの侍女になれるなんて早々ない事でしたから、家族は大喜び。
あまり乗り気ではない私をよそに、勝手に話を進めてしまったのです。
で、今に至る、と。
私が来たばかりの時は、カイル様は11歳。
その時はとても純粋で素直な、可愛らしい少年でした。
ところが、年を重ねるごとに培っていく美貌と女たらし。
今では「夜会の魔術師」なんて不名誉なあだ名まで付けられて・・・。
由緒正しき、このアルフォンソ家をこの方で落としてはならない、と頑張る毎日なのですが・・・。
「上手く行かないわね・・・本当に・・・」
廊下で大きくため息を付くと、そう呟いてしまいました。