溺愛伯爵さまが離してくれません!
「で?姉ちゃん、見合いすんだって?聞いたよ、父さんから」
午後になり、人がまばらになってお店が暇になると、リュリがそう話しかけてきます。
その言葉に私は動かしていた手を止めて、リュリに返しました。
「うん。もういい年だしね、そろそろ落ち着こうかと思って。まだ相手がどんな人なのか聞いてないんだけど」
「まぁなー。姉ちゃんもあそこで働いていたら、出会いなんかないんだろうし」
「・・・そうね」
「結婚したらどうすんの?今の仕事」
「辞めようと思ってる。結婚してまで出来る仕事じゃないし」
「ふーん。まあでも、・・・そう簡単に辞めれそうにないと思うけどね」