溺愛伯爵さまが離してくれません!
夜。

父の部屋に呼ばれた私は、そこで見合い相手となる方の詳しい話を聞かされます。

「彼は隣町の食堂を営む家の息子でね。歳はリーナよりも3つほど上だが、とても優しく誠実な男だ。・・・まあ3年程前まで彼には奥さんがいたが、病気で亡くされてな。後妻、という形にはなるが、子供もいないから特に問題はないだろう」

「後妻・・・」

この年になれば、初婚同士なんてのもなかなかないのでしょう。
それは仕方がないとしても。

でも。
前に奥様がいた方・・・か。
なんだか・・・気が進まない・・・。

「どうした、リーナ。何か心配事でもあるかい?」

「あ、・・・いえ。別に・・・」

「まあ、いいかどうかは、一度会ってみて決めるといい。話はそれからだ。見合いは明後日、それまでは好きにしていて構わない。リーナも疲れただろう?ゆっくり休みなさい」

「はい・・・」


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