溺愛伯爵さまが離してくれません!
部屋に戻りそのままベッドに身体を預けると、天井を見つめながらため息をひとつ吐きました。

「奥さんの・・・いた人か・・・」

前に奥さんがいたとしても、実際会ってみなければ、どんな人なのかはわからない。
もしかしたら私を愛してくれるのかもしれない。
ちゃんと私を見てくれる人なのかもしれない。

だけど。

だけど、なんでこんなに気が乗らないのだろう。
どうしてこんなに憂鬱なのだろう。
あんなに決意して、戻ってきたというのに。


「私、本当に幸せになんてなれるのかしら・・・」

そう口に出して自分自身に聞いてみたけれど、行きつく答えは。



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