溺愛伯爵さまが離してくれません!
なにそれ・・・。
まるで私を情婦のような言い方をして・・・。

「侍女の仕事にはそういう仕事は含まれておりません!私達は誇りを持って主に仕えているのです。それを・・・」

「どうだかねぇ・・・。貴族の世界は、私達庶民が思うよりももっとドロドロとしているんだろう?そんな世界に近い場所にいる君なんだ、あったって不思議じゃない」

だからって・・・。

あまりにも最低な発言に、身体中が怒りで震えてしまいました。

確かに伯爵さまは、夜な夜な色んなご令嬢と蜜な時間を過ごされては、屋敷に帰っては来るけれど。
でも、私達にはちゃんと節度を持って接してくれて・・・。

「・・・あなたとの結婚は、お断りします。私はあなたの情婦になるつもりはありません」

「リーナがそう思っても、私が意地を通せばこの話は進む事になるよ?・・・ふふっ、楽しみだなあ」


・・・気持ち悪い。
同じ空気を吸うことすら嫌になるくらい、気持ちが悪い。

この場から今すぐ逃げてしまいたい。
こんな人と結婚するくらいなら、私は・・・!



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