溺愛伯爵さまが離してくれません!
―――これは、夢?。
どうして私の家に伯爵さまがいらっしゃるのだろう。

戸惑う私をよそに、伯爵さまは笑みを浮かべながらリュリと話をしていました。

・・・あれ?
伯爵さまって、リュリと仲が良かった?

・・・いや、その前に。
家の存続に関わるって、伯爵さまがここに来たからって事?

話が見えない。
一体どうなっているの?

「伯爵さまあの、これは、一体・・・」

私がそう言うと、伯爵さまはリュリと話すのを止めこちらを向いて話しました。

「ああ、君の見合いを止めなければこの家との取引は今後なしにするって言って、やめさせたんだ。いけなかったかな?」

「え・・・?」

「そうだ。アルフォンソ家との取引がなければ、私達は生きてはいけないからね。グレイスとの結婚よりもアルフォンソ家との繋がりの方が大事だったんだ。・・・すまない、リーナ」

父は申し訳なさそうに、そう私に答えます。

それを聞きながら目の前の伯爵さまは、それはもう満面の笑みでこちらを見つめていました。
それに対し、眉間に皺を寄せ何も答える事が出来ない私。

まさか家の権威を持ち出して、ここまでするなんて・・・。
どうして私の為に・・・?

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