溺愛伯爵さまが離してくれません！

クレアさんはふふっと笑って、その場から離れてしまいます。
どうして私の見合いが上手くいかなかった事を知っているのだろう？
そしてなんであんなに笑顔なのかしら・・・。

そう考える私でしたが、思ったよりも疲れていたようで頭が上手く回らず、それ以上考える事が出来ませんでした。

部屋に戻り、ぼすっとそのままベッドに自分の身を預けます。
目を閉じると、浮かぶのはやはり伯爵さまの笑顔。
いつでもどこにいても、伯爵さまの顔を思い出さない時はありません。

そしてその笑顔に加えて思い出すのは、伯爵さまの体温。そして香り。
目を瞑り布団に包まると、まるで伯爵さまに抱かれているよう。

なんて幸せなのだろう。
もうこれだけで、今は十分満足だわ。

そんなことを思いながら、私はそのまま夢の世界へと旅立って行ったのでした。