溺愛伯爵さまが離してくれません!
―――翌朝。
鳥のさえずりが聞こえ、その声に重い瞼をゆっくりと開けました。

もう、朝?
やだ、私ったらあのまま寝て・・・。

と、包まっていた布団を身体から取ると、目の前には・・・。

「は、伯爵さまっ!!」

「あ、おはよう。今声を掛けようとしたところなんだ」

寝台の横には、ニコニコ笑顔の伯爵さま。
って・・・。

「な、な、な、な、なんで・・・!!!」

「言っただろう?たまには起こしたいって。起きて、リーナ。朝だよ」

剥いだ布団を咄嗟に顔にかけて隠します。
こんな何も手入れもしていない、寝起きの顔を見られるのだけは勘弁!

「どうしたの?また布団を掛けちゃって。起きよう?」

「ダメ!ダメですっ!!こんな寝起きの姿を伯爵さまに晒すなんて恥ずかしくて・・・!!」

「そんな事いまさら言われても、もう見ちゃったけど?ふふっ、足から顔まで布団で包んで寝てるリーナは可愛かったなぁ」

拳を口に付けて笑いを堪えながらそう話す伯爵さま。

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