溺愛伯爵さまが離してくれません!
「準備が、出来ました」
扉をノックし力なき声でそう声を掛けると、伯爵さまが部屋から出てこられます。
泣いた顔を見られたくない私は、俯き加減で伯爵さまの後ろへ付いて行きました。
食堂へ着き、いつものように伯爵さまの食事の準備をしようとすると、手を掴まれました。
「今日は何もしなくていい、リーナはまだお休み中だよ。一緒に朝食を食べよう」
・・・え?
伯爵さまと一緒に!?
その言葉に私は困惑してしまいます。
同じテーブルに私みたいな者が一緒に座るなんて、そんな大それたこと・・・。
「できません。庶民である私が同じテーブルにつくなんて」
「なんで?僕がいいと言ったらいいんだよ?この屋敷の中では僕が王だから。僕の言ったことは絶対なんだ」