溺愛伯爵さまが離してくれません！
「どこにもいないのか？」

「部屋も整頓されて、リーナの私物らしきものもほとんどなくて、慌てて屋敷の周りを探してもリーナの姿がなくてそれで・・・」

椅子に掛けてあった外套を羽織ると、リーナの部屋へと向かった。
クレアの言う通り、部屋の中は綺麗になっていて、リーナが部屋に飾っていた小物などがなくなっていた。

額から汗が流れる。

出て行った？自分から！？
どうして、一体どうして・・・！？

屋敷の中を走り、外へと出る。
息が上がるのも気にせず、屋敷の周りを探す。

「リーナ！リーナどこだ！？」

声も、姿もない。

「リーナ！！！」

結局、どこを探しても彼女の気配を感じることはなかった。
目の前が真っ暗になった。

それからどう戻って来たのか覚えていない。
気がついたら自室の椅子に腰掛けていた。


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