溺愛伯爵さまが離してくれません!
「クレア」

「はい」

「すまない、ガルムを呼んできてくれ」

「かしこまりました」

クレアは軽く一礼すると、部屋から消える。
誰もいなくなった部屋で、大きく息を吐き天井を見上げた。

リーナはどこへ行ってしまったのだろう。
いついなくなってしまったのか。

もう少し早くに屋敷に戻って来たなら。
あの時、リーナの部屋の扉を開けていたなら。

もしかしたら、リーナは僕の前からいなくならなかったかもしれない。


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