溺愛伯爵さまが離してくれません!
「逃げる者の心理としては、どこか遠くへ、出来ればこの街の情報が入らないような場所へと考えるでしょうから、街から定期的に出ている乗り合いの馬車で、どこかへと行ったのだと思われます」

「この街から出ている馬車は?」

「3か所ほど。そちらも既に捜索するように依頼しております」

「助かる、ガルム。やっぱりガルムは優秀な執事だ」

「やるべき事をやっただけです。それよりも、カイル様。貴方はどうしますか?」

僕がすべき事?。
・・・決まっているじゃないか。

「探すよ。たとえ地の果てに逃げようとも、必ずリーナを見つけ出す」

「かしこまりました」

「その前に父のところへ行く。馬車を用意してくれないか?」

「はい、早急に」

そう言って一礼すると、ガルムは部屋を後にした。

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