溺愛伯爵さまが離してくれません!

決心

「なんだと・・・!?リーナが消えた!?」

目の前の父は眉間に皺を寄せ、今にも怒りだしそうなそんな険しい表情を浮かべていた。

両親は、爵位を僕に譲った後、街から少し離れたのどかな場所で暮らしていた。
ここに来るのは3か月ぶり。
来た時は優しい表情を浮かべていたのに、やはり父を怒らせてしまった。

どれもこれも全て僕が悪い。
いい訳なんて出来る訳がない。

「申し訳ありません、父上。今日の朝にはもう姿はなく、夜中寝静まった頃に抜け出したのかと思われます」

「な、なんて事だ・・・!お前!お前がしっかりしていないから・・・!!」

父は倒れこむように椅子に座り、そして力なくため息を吐く。
父の言葉に反論出来ない僕は、それをただ見ている事しか出来なかった。

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